休日出勤に何を思うか

一次マスター直前のゲーム会社の休日。
出社しているのは、俺1+デザイナ*2。
すごいね。なにやってんだろ。


と、ここから組織論と世代論をぶってみる。(仕事にならんからだ)


ウチはよくあるワンマン社長の会社だ。
組織に属するとは、組織の為に働く替わりに組織からメリットを得る行為である。
ワンマン社長会社の限界は、その組織にいくら尽くした所で、対価が社長の気分次第という所だ。
組織の為に尽くした対価は実は賃金であってはいけない。なぜなら、賃金のみを対価に求めるなら、もっとも得なのは、集団の中でバレないようにサボる事だからだ。
つまり、賃金(月給、固定給)以上の「もっと得ができるぞ」という「幻想」を与えなければ組織なんてのは、無駄飯喰らいの集まりに過ぎなくなってしまう。
ワンマン社長会社では「社長に気に入られておけばいいや」で終わりなのだ。

だから、会社はよくわからんが社則だのなんだので、客観的に見える評価軸を作り、出世を餌にして人間を、賃金以上に働かせようとしなけりゃいけない。
ウチはこの作戦に失敗しているから、マスター直前に悠長に休日を謳歌している社員が殆んどなわけだ。


以上、ワンマン会社はその個人の能力以上の仕事を成せません。という当たり前の話。

次、世代論。

最近の若い者は、というセリフはだいたい否定的な時に使われるが、これは持って回りであり、俺も新人類とか呼ばれてたクチだ。

要するに、
「今の社長や役員の世代の考え方では、若い者は給与分以上は働かんよ。」
という事なのだ。

正直を言えば、この先シュリンク傾向にあるゲーム業界に置いて、新人として入ってきて、ゲームの一本も自分でディレクション出来る役割が回ってくる可能性は大変低い。


常にラインを拡張しているような会社なら兎も角、年何本作るかが固定化しているような所では、若者に出番は無く、老害ディレクターが死ぬか辞めるかしないと一生作業員のままだ。
しかし、若者もバカじゃないからそんな事は百も承知だし、だから「あまりに難しい出世」を追うぐらいなら「給与ソコソコ」の仕事で、休暇を謳歌する。


幻影を追わない。騙される事を好まない。踊らされる事を好まない。
これが、当世の若者事情じゃなかろうか。20代中盤までぐらいを指して言ってるんだけど。


しかし、そうやってクールに生きてるから、実際得れる、目の前の餌をワリとスルーしてるんだよね。勿体無い。食っとけばいいのに。
例えば今この瞬間(プロジェクト存続の危機のこの瞬間)働いて、成果を出せるヤツなら次は大きい仕事を任せるだろうし、それ相応の給与にもなるだろう。


実のところ、彼ら若者に給与以上の働きをさせたけりゃボーナスや有給など、目先の利益で釣るのが一番速かったりする。
出世とか、長期視野の餌じゃ釣られない。
俺の世代から見ると、大変勿体無い生き方(移民労働者みたいだ)に見えるのだがこれは何に価値を置くかの違いなので、俺みたいな会社にゲタを預ける生き方のほうが彼らから見ればバカに見えるかも知れない。


ゲタは預けても運動靴を履いているから、いつでも走って逃げれるんだが。